
出会いは東急東横線沿いの「白楽」。
買うべきか買わざるべきか悩みつつ、我が家から
片道2時間の同店へ毎週末通い詰め、2000年3月に、
ようやく手に入れたのがこの初期伊万里山水文茶碗。
磁器にあっては割れや欠け等の傷は、その価値を大きく
損なうとされる中、この器のキズは、ご覧の通りで、
かなりの致命傷に思えたのです。
しかし、波打つような器形に、侘び寂びの詩情漂う素朴な
山水図が力強い線で描かれ、呉須と釉薬の柔らかくほのかな
青みで包み込まれた器体は、しっくりと手に馴染み、
伝世品ならではの人の温もりをも感じさせる、この器の
稀有な魅力には抗し難く購入を決意するに至った次第。
この茶碗により培われた感性が、その後、前掲の
初期伊万里染付山水文水指(2009年11月)や
古唐津胴締線刻筒茶碗(2010年3月)との出会いに
繋がっていったのだと思っています。
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