
「民芸」運動の柳宗悦が伊万里の雑器に「平凡の中の非凡な輝き」を
初めて見出したのが若き日の我孫子時代であることはご承知の通り。
特に雑器中の雑器である猪口との出会いに纏わるエピソードは有名です。
(お墓に供えてあった湯呑(そば猪口)を失敬し茶碗として子供に与えた由)
柳の云う「平凡の中の非凡な輝き」を見せている(と勝手に思い込んでいる)
のが、この2006/01に取得した並び菖蒲文そば猪口。
どっしりと安定感のある器体に、素朴な線で古拙な文様を描き、
その上に釉薬を生がけし焼き上げただけの量産品ですが、
そこに描かれた線だけを見ても、のびやかで屈託がなく、
それでいて野放図ではない、確かな美しさを備えています。
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