古伊万里に魅せられ、磁器を中心に二十数年骨董収集しています。
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2023年4月28日金曜日

安南小壺トンボ  スンコロク柿香合   根来盃

 

  小品3点の紹介です。

  画面左はベトナムで作られた安南小壺トンボ、右はタイで
  作られた
スンコロク柿香合です。

  共に骨董収集を始めたばかりの1988/11(39)大阪老松町の
  骨董街で出会い
買い求めたもの。

  当時は古伊万里そば猪口をメインに、懐具合と相談しながら専ら
  小品たちを、骨董図鑑を参考に毎週の様に物色していました。

  真ん中の盃は骨董収集を始めて30年程経った2017/01(67)
  漸く手に入れた根来
(ねごろ)平盃(ひらさかずき)
  桃山期の作に特有の華やかさの中に、朱漆の繊細で
  柔らかな質感を醸し出しています。

  何れも小品ながら後世に伝えたい逸品です。

2023年4月27日木曜日

明草花文薬壺

 

  2001/9(52)に入手したもの。ふっくらとした胴に草花文、
  口縁には縁どりが、夫々丁寧に描かれた明末に作られた小壺
  ですが、これを後世に象牙の蓋を取り付けて薬壺に仕立てた
  ものと思われます。
  名もなき陶工たちの丁寧な仕事振りと、これを薬壺に仕立て
  大切に伝承した人々の思いが感じられる一品です。

2023年4月25日火曜日

藍九谷柳に燕文小皿

 

 これは20152月に入手したちょっと小さめの4.5寸の藍九谷皿。
 燕(つばめ)の親と雛と卵とを
巧みな筆さばきで愛らしく描いている
 その絵付けに魅了されました。
 春の使者として飛来し、せっせと巣作りと子育てに励む親燕の姿が
 目に浮かび、嬉しい気分にさせてくれる作品です。

2023年4月24日月曜日

高麗青磁象嵌菊花平鉢

 

  中国宋の影響を受けながら独自の象嵌(ぞうがん)青磁を
  生み出したのが、朝鮮の高麗朝
(9181392)に作製された青磁。
  本家本元から「陶器の色青きもの麗人これ翡色という。
  色沢もっとも佳なり」と褒められるほど優れたものが
  作られました。
  本品は、下地に彫刻をし
(陽刻)、そこに白土を象嵌して菊花の
  模様を浮かび上がらせています。
  2000550歳の時に買い求めたものですが、
  釉の色は全体的に鈍い灰青色ながら、見込みの釉だまりには
  冴えた青い釉色も見られ深く味わいのある平鉢です。

2023年4月19日水曜日

宝尽し紋そば猪口

 

   これは20171月、67歳の時に入手したそば猪口。
   古伊万里後期に作られたものですが、
   縁起の良い文様が丁寧に描かれ、
   更には磁肌の美しく透明な白と呉須の澄んだ青が共に際立つ、
   数あるそば猪口の中でも私の大好きな一品です。
   高台裏底には「大明年製」の銘があります。

蓮弁に四方襷と花散し文そば猪口


 骨董収集を始めて丁度30年の節目(2018/11)に出会ったのが
 このそば猪口。

 器体は薄手で、蓮弁(れんべん)に四方襷(よもだすき)と花散し文が
 軽妙な
致で描かれた江戸中期の上手の作品です。
 見込みには印判で五弁花紋が、高台裏には「大明成化年製」が
 夫々鮮明また丁寧に描かれ、そば猪口ながら完成度の高い、
 いつまでも大切に残していきたい一品です。

2023年4月13日木曜日

古染付蓮華文中皿

 

  88/10から始まった骨董収集歴も30年となり、
  また間近に迫った古稀の記念にとの思いで
  201811 (69)に買い求めたのがこの「古染付蓮華文中皿」。
  明末
(17世紀前半)景徳鎮の民窯によって焼かれ、
  一説には当時の茶人が特別に注文したものと云われる程、
  特に日本人に好まれ続けている中国磁器の「古染付」です。
  48枚もの蓮弁が力強くかつ自在に描かれており、高台には
  「大明成化年製」の銘がしっかりした字体で書かれています。

2023年4月9日日曜日

黒釉扁壺

 

朝鮮の陶工達が持つ焼き物に対する天性の美意識。無作為の美。
この無造作の美意識はこの国の風土が育んだものなのか。
黒釉ならではの落ち着いた深い色にして優しい色合いながら、
どこかに寂しさが漂っている。これを眺めていると、
その鈍いつやの向うにある淋しさが見えてくるようで、
これもまた大いなる魅力の偏壺です。

2023年4月7日金曜日

青織部向付


 伊豆修善寺にある「骨董旅館ゲストハウスさくや」に一泊した際に、
同敷地内にある骨董を展示する蔵で出会い一目惚れした青織部向付。
主の生村氏が「祖父が収集しお気に入りだから」と渋っていたのを、
何とか説き伏せ平成
28(66)に漸く入手した思い出深い品です。
織部焼は、
15961644(桃山~江戸初期)に茶人古田織部の好みと
指導により美濃で焼造され、その中で「青織部」とは緑釉
(織部釉と
いう
)を器体の一部分にずぶっと掛け、その時々で異なる形の余白に
鉄絵により図柄を描くものであり、よほどの力量がないと間が抜けて
しまう。
この「青織部向付」の魅力は、武骨で荒々しい器体と、
(オモテ)面に広がる「火色」と釉の緑との豪快なコントラスト、
そして図柄の素朴で衒いのない線と星梅鉢紋等々、見て触る度に
その魅力に引き付けられてしまいます。

2023年4月6日木曜日

奥高麗・・・古唐津茶碗


   これは李朝の陶工が唐津で焼いた「奥高麗」。
   口径
12.0cm7.6 cmと少し小振りです。
   釉面は内側・外側とも枇杷色に発色し、その色も一様でなく
   複雑な窯変美を見せています。
   青白く流れる釉薬もまた魅力の一つ。
   高台は竹の節状で、高台脇には梅花皮
(カイラギ)が景色を添えて
   います。
   胴が二段に立ち上がり、深く刻まれたロクロ目が手に馴染み、
   僅かに閉じた口縁も優しく安らいだ心持ちにさせてくれます。

2023年4月1日土曜日

藍九谷芥子文皿

 

これは2006年1月に入手した5寸皿の藍九谷。力強い筆致や染付の濃淡が
印象的です。
初期伊万里の末期に造られた藍九谷の特徴は、絵付けが格段に巧くなり、
濃い濃(だ)み・薄い濃みの描き分けでき、染付の発色が安定したこと等
ですが、この芥子(けし)文皿はそれら藍九谷の特徴が正に際立つ一品です。
高台内には二重角福の銘があります。


李朝染付瓢形(ひさごがた)徳利

 「雪白磁」とも云われる、柔らかい初雪の面のようにふっくらと
光線を
吸い取るような肌合いの白磁に、躊躇いのない筆遣いで文字
(不、空、中)と草文とが描かれた広州官窯金沙里窯(170150)
焼かれた李朝中期の徳利。
しっとりとした肌合いに作為のない染付そして大らかに温かみのある
器形とが調和して、慈愛に満ちた優しい世界を醸し出しています。