古伊万里に魅せられ、磁器を中心に二十数年骨董収集しています。
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2011年7月20日水曜日

そば猪口・・・雨降り雫文印判手そば猪口















これは阪神大震災のあった年(1995年)の10月に
大阪老松町の「前坂清古堂」で入手したそば猪口。
そば猪口コレクターである京都大学の先生が
阪神大震災で被災したのを機に「処分したい」と
同店に持ち込んできた10数点のうち、私がその中から
選りすぐった3点のうちの一つです。
あとの2つもこの雫文同様に私の好きな印版手のもので、
一つは既に掲示した熨斗文印判手そば猪口、もう一つは
今後ご紹介するであろう枠絵連木竹文印判手そば猪口です。
このそば猪口の魅力は何と言っても文様の鮮烈さですが、
それだけでなく、比較的薄手でシャープに引締まった器体と
相俟って、日常使いの雑器ながら気品をすら漂わせています。
コレクターの思いと共に大切に受け継いでいきたいと思います。

2011年7月19日火曜日

そば猪口・・・輪線文そば猪口















これは2003年4月に入手した輪線文そば猪口。
ちょっと大振りの器体(高さ6㎝)に11本の輪線が
シンプルに描かれているだけなのですが、
一つ一つの色合いに微妙な変化を見せながら、
その鮮やかな青と白い磁肌とのコントラストが
何とも瑞々しく、いつまでも心惹かれる一品です。

2011年7月9日土曜日

初期そば猪口・・・山水文胴締二重線高台付そば猪口
















山水を描いた磁器をもう一つ。高さ5㎝と小振りの古伊万里そば猪口です。
前掲とは真逆の、余りにも簡略化され山水かどうかすらもはっきりしない文様が
何の衒いもなく素朴に描かれています。「これぞ古伊万里」という感があります。
二重線が胴を引締め、山水の曲線とも良く調和が取れています。
柔らかな器形と、呉須の淡い色合いとも相俟って、何とも優しい器です。

2011年7月5日火曜日

古染付・・・明染付山水図陶板
















前掲と同じく「白楽」で出会い、2001年3月に入手した
明末の景徳鎮民窯で焼かれた染付磁器です。(13.5㎝×24㎝)
お供を連れた馬上の旅人を含め人物13名と木々や渓谷や高楼や小舟などを
陶板全体を覆い尽す様に繊細かつ大胆なタッチで、そして丁寧に描いています。
まるで一幅の絵を見ているようです。
後世に経卓として使用するため、陶板の周りを金箔と漆で塗り固めています。

古染付・・・明染付羅漢諸子文四方合子




















東急東横線の「白楽」で出会い、1997年10月に入手した
明末景徳鎮の民窯で焼かれた染付磁器です。(11㎝×17㎝)
それまでにない大枚を叩いて入手したものですが、
この器の魅力は何と言っても優れた絵付けにあります。
工人の手馴れた筆裁きと、その図柄の想像を掻き立てる物語性と
(炊かれているお香を中心に、長生の象徴である鹿を従えた羅漢さんが、
4人の諸子を相手に何事かを諭している?)、その呉須の発色の良さなどなど。
更には、蓋の優れた絵付けに対し側面に描かれた牡丹図等の余りの拙さも、
分業による大量生産の民窯ならではの味わいと勝手に思っている次第です。