
これは阪神大震災のあった年(1995年)の10月に
大阪老松町の「前坂清古堂」で入手したそば猪口。
そば猪口コレクターである京都大学の先生が
阪神大震災で被災したのを機に「処分したい」と
同店に持ち込んできた10数点のうち、私がその中から
選りすぐった3点のうちの一つです。
あとの2つもこの雫文同様に私の好きな印版手のもので、
一つは既に掲示した熨斗文印判手そば猪口、もう一つは
今後ご紹介するであろう枠絵連木竹文印判手そば猪口です。
このそば猪口の魅力は何と言っても文様の鮮烈さですが、
それだけでなく、比較的薄手でシャープに引締まった器体と
相俟って、日常使いの雑器ながら気品をすら漂わせています。
コレクターの思いと共に大切に受け継いでいきたいと思います。